福島県立医科大学附属病院小児腫瘍内科のホームページをご覧いただきありがとうございます。私は2021年12月1日に小児腫瘍内科の第二代教授を拝命いたしました。当科は2014年に初代の菊田敦教授のもとで立ち上げられ、大学病院としては全国でも稀な小児血液・腫瘍疾患の専門科です。当科は、単に病気の治癒のみを目指すのではなく、治癒後に自立した個人としてきちんと社会に復帰できるように、以下のような取り組みを実践しております。今後、このような活動をより充実させていくことで、小児がんで苦しむ子供やご家族に対して少しでもお力になれればと考えております。

教授 佐野秀樹

診療科の歴史と発展
福島県立医科大学附属病院小児腫瘍内科は、その設立から現在に至るまで、数々の挑戦と成果を経て発展してきました。2014年の設立当初から、初代教授である菊田敦の指導のもと、国内外の最新の研究成果を取り入れながら、小児がん治療の最前線を歩んできました。現在では、特に難治性白血病に対する造血細胞移植の拠点として、全国から患者さんをご紹介頂き、信頼と実績を築いております。
小児がん治療の重要性と当科の役割
小児がんは、発症率は低いものの、小児の病死原因の第一位であり、社会的・医療的に極めて重要な課題です。成人がんとは異なり、臓器別の治療だけでは対応しきれず、脳腫瘍や骨軟部肉腫、神経芽腫などの様々な疾患に対応できる体制が求められます。当科では、これらの多岐にわたる疾患に対して、専門的な知識と経験を持つ医療チームが一丸となって診療を行っています。


最先端の治療法と研究への取り組み
私たちは、標準的な治療の提供にとどまらず、最先端の治療法の開発にも積極的に取り組んでいます。難治性白血病に対してはハプロ移植を実施し、南東北がん陽子線センターとの連携による陽子線治療など、最新の治療法を駆使して患者の治療にあたっています。また、治験や臨床試験を通じて、さらなる治療法の改良と新たな治療法の開発にも力を入れています。
患者と家族を支える多角的な支援体制
治療だけでなく、治癒後の社会復帰まで見据えた支援体制を整えていることも、当科の大きな特徴です。病名の告知や患児への病状説明から始まり、支援学校による学習の継続、原籍校との連携、高校生の学習支援、緩和ケアスタッフによる緩和治療の提供など、各分野の専門家と連携しながら総合的な支援を行っています。Pediatric Tumor Boardを通じた多職種連携も、患者一人ひとりに最適な治療とケアを提供するための重要な取り組みです。


今後の展望
これからも、福島県立医科大学附属病院小児腫瘍内科は、小児がん治療の最前線であり続けるために、さらなる研究と治療法の開発に取り組んでいきます。また、小児がんで苦しむ子供たちやその家族を支えるために、一緒に奮闘していただける新しいメンバーを募集しています。興味のある方はぜひご連絡ください。私たちと共に、小児がん治療の未来を切り拓いていきましょう。
令和7年2月
福島県立医科大学附属病院小児腫瘍内科
教授 佐野秀樹